大阪市立美術館

うた・ものがたりのデザイン

特別展

うた・ものがたりのデザイン
日本工芸にみる「優雅」の伝統

会期

平成26年10月28日(火)~12月7日(日)

時間
午前9時30分〜午後5時(入館は午後4時30分まで)
休館日
月曜日(祝日は開館、翌日休館)
料金

一般 1,300円(1,100円)、高大生1,100円(900円)

※( )内は、20名以上の団体料金

※中学生以下、障がい者手帳などをお持ちの方(介護者1名を含むむ)は無料(要証明)

※本展は、大阪市内在住の65歳以上の方も一般料金が必要です。

※チケットぴあ(Pコード:766-310)、 ローソン(Lコード:52772)、イープラス(http://eplus.jp)、ファミリーマートほか、京阪神の主要プレイガイド、コンビニエンスストアにて販売中。

※前売券の販売は終了しました。

主催
大阪市立美術館、毎日新聞社

概要

日本の美術は文芸と密接に関わりながら多彩な作品をつくり上げてきました。移ろいゆく自然や、人の心を表す和歌、源氏や伊勢の物語など、文芸は工芸デザインにも深く影響を与えました。
古歌、そして物語を主題としたさまざまなデザインが平安時代から、料紙下絵、蒔絵手箱・硯箱、刀の鞘、女房装束の色や文様などに用いられました。
初期の遺例としては料紙装飾があります。経文や詩歌の料紙に、古歌の意味を表す景物を描く「歌絵」と「葦手」文字が表されているのです。鎌倉時代以降になると、蒔絵手箱や硯箱などに、詩歌や物語の主題を表す作品が比較的たくさん残されています。さらに近世に入ると、人々が着用する小袖などに詩歌や物語、謡曲などのデザインが華やかかつ多彩に展開されます。
この展覧会では、日本工芸に表された文芸意匠、とりわけ詩歌、物語、謡曲(能)に焦点をあて、料紙装飾・蒔絵調度・小袖、鏡や刀装具、陶磁器など、国宝5件、重要文化財13件、重要美術品2件、石川県指定1件を含む139件を一堂に展覧します。本展を通し、工芸作品にみる文藝意匠の系譜を明らかにするとともに、日本の工芸に表れた優雅な造形を通して、日本文化のすばらしさを紹介いたします。

≪展覧会の構成≫
序 章 王朝のデザイン 葦手と歌絵
第一章 和漢朗詠集のデザイン
第二章 和歌のデザイン
第三章 物語のデザイン
第四章 謡曲のデザイン

※作品保護のため会期中展示替えを行います。
・前期展示10/28~11/16
・後期展示11/18~12/7

※都合により前期・後期に関係なく展示期間を限定している作品がございますのでご了承ください。

主な展示

御所解文様小袖<源氏物語 若紫> 

江戸時代 19世紀
株式会社 千總

御所解文用は、江戸時代後期の女中の着衣に施された特色ある意匠。この小袖には源氏物語「若紫」の帖、光源氏と紫の上の思いがけない出会いの場面を読み解くことができる。縁側には雀が逃げてくつがえった鳥籠、彼方には飛び去る雀、裾近く桜に隠れて光の君の乗り物が刺繍で表されている。

菊に柄杓蒔絵硯箱

室町時代 16世紀
個人蔵

水辺に菊と柄杓を蒔絵で描く硯箱。菊と柄杓を組み合わせ、謡曲「猩々」を表す。
海に住む猩々(中国の伝説上の獣)の与えた酌んでも尽きない酒壷のおかげで、長く栄えた高風(こうふう)という孝行者の物語。長柄の杓は酒を酌む猩々を、菊花は不老の薬酒を表す。

流水紅葉色絵皿 

鍋島焼
江戸時代 17末~18世紀 大阪市立美術館蔵(田原コレクション)

流水に紅葉をともない描く図は、歌に詠まれる紅葉の名所、龍田川にちなんだ意匠、渦を巻く流れと波に翻弄される紅葉が皿という丸い画面にデザインされている。

御所解文様帷子<源氏物語 若紫>

江戸時代 19世紀 東京国立博物館

重要文化財 砧蒔絵硯箱(蓋裏) 

室町時代 16世紀 東京国立博物館
※展示期間11月11日~11月24日
Image:TNM Image Archives

波兎蒔絵旅櫛笥

江戸時代 17世紀 東京国立博物館
※展示期間 11月11日~11月24日
Image:TNM Image Archives

夜桜蒔絵硯箱

江戸時代 17~18世紀 個人蔵

楓に時雨文字文様帷子

江戸時代 19世紀 個人蔵

源氏物語文様小袖

江戸時代 18世紀 丸紅株式会社

<国宝>
葦手絵和漢朗詠集 下巻 藤原伊行筆 <京都国立博物館>
平家納経 法華経厳王品 <厳島神社> ※前期展示
彩絵小型檜扇(古神宝類のうち) <厳島神社> ※後期展示
扇面法華経冊子 巻一・観普賢経 <四天王寺> ※前期展示
初音蒔絵手箱(初音蒔絵婚礼調度のうち) <徳川美術館> ※前期展示

<重要文化財>
法華経普門品 <京都国立博物館> ※後期展示
鉄二十八間四方白星兜鉢及鎧金具 <春日大社>
葦手絵兵庫鎖太刀拵 <丹生都比売神社>
長生殿蒔絵手箱 <徳川美術館> ※前期展示
長生殿蒔絵手箱 <大倉集古館> ※後期展示
秋野蒔絵手箱 <遠山記念館> ※後期展示
塩山蒔絵硯箱 <京都国立博物館>
砧蒔絵硯箱 <東京国立博物館> ※11/11~11/24展示
源氏夕顔蒔絵手箱 <相国寺> ※後期展示
扇散蒔絵手箱 <前田育徳会> ※10/28~11/9展示
雁金屋衣裳図案帳 <大阪市立美術館>
扇面鳥兜螺鈿蒔絵料紙箱 本阿弥光悦 <滴翠美術館>
綾杉地獅子牡丹蒔絵香盆(綾杉地獅子牡丹蒔絵婚礼調度のうち) 幸阿弥長重 <林原美術館> ※10/28~11/9展示

<重要美術品>
菊花双鶴葦手絵鏡 <東京国立博物館>
忍草蒔絵硯箱 伝本阿弥光悦 <東京国立博物館> ※後期展示

<石川県指定>
菊慈童蒔絵薬籠箱 <石川県立美術館> ※11/11~12/7展示

案内リーフレット

学芸員による見どころトーク

日時:11月5日(水)、11月19日(水)、12月3日(水)
    14:00~14:30

会場:美術館1階講演会室
定員:150名

※事前申し込みは不要。聴講は無料ですが、当日の特別展観覧券が必要です。
1119講演会
30分で見どころをわかりやすく紹介します。
イチョウ1119

11月19日現在、イチョウの紅葉が見ごろです。

 

 

図録

販売価格 2,300円

特別展のショップにて好評販売中。

※通信販売をご希望の場合は、下記までお問い合わせ願います。

毎日新聞社 総合事業局 事業部
TEL:06-6346-8391

相互割引

あべのハルカス美術館では、平成26年10月10日(金)~平成27年1月12日(月祝)に「新印象派展」を開催。「うた・ものがたりのデザイン展」の観覧券(半券可)をあべのハルカス美術館の窓口でご提示いただくと、当日券を100円引きで購入いただけます。

※同様に「新印象派展」の観覧券(半券可)を大阪市立美術館の「うた・ものがたりのデザイン展」窓口でご提示いただくと、当日券を100円引きで販売いたします。

割引券

下記の”当日割引券”をクリックし、開いたページをそのまま印刷してご持参ください。

作品リスト

出品作品の展示期間について、下記の通り変更となりました。
1番 葦手古今集切 (徳川美術館) 
            通期展示⇒前期展示のみ
15番 和漢朗詠集蒔絵硯箱 (個人蔵)
            後期展示のみ⇒11/11~12/7
83番 色絵夕顔文茶碗 尾形乾山 (大和文華館) 
            通期展示⇒前期展示のみ 
90番 浮舟蒔絵匂箱 (大阪市立美術館)
            後期展示のみ⇒11/11~12/7

その他、下記の23件については、前期展示から通期展示に変更となりました。
<第一章 和漢朗詠集のデザイン>
16番 桐竹に文字文様小袖 (松坂屋コレクション)
19番 松竹梅に文字文様振袖 (田畑コレクション)
24番 梅樹に文字文様小袖 (国立歴史民俗博物館)
27番 楓樹に文字文様小袖 (女子美術大学美術館)

 <第二章 和歌のデザイン>
42番 雪持梅に文字文様小袖 (株式会社千總)
44番 雪持南天に文字文様帷子 (株式会社千總)
48番 斜縞に文字散し文様小袖 (東京国立博物館)
51番 梅樹に文字散し文様間着 (文化学園服飾博物館)
62番 流水田家(六玉川)文様打掛 (女子美術大学美術館)
65番 近江八景文様帷子 (松坂屋コレクション)
70番 宇治の景文様単衣 (松坂屋コレクション)

 <第三章 物語のデザイン>
79番 流水に藤山吹蝶文様打掛 (文化学園服飾博物館)
87番 雪持蘭に文字文様小袖 (松坂屋コレクション)
92番 海浦と文字文様小袖 (丸紅株式会社)
96番 源氏物語文様帷子 (松坂屋コレクション)
101番 源氏香の図と景物文様帷子(京都きもの株式会社)

 <第四章 謡曲のデザイン>
114番 養老(御所解)文様小袖 (松坂屋コレクション)
119番 綿木蒔絵硯箱 (個人蔵)
121番 邯鄲(御所解)文様小袖 (文化学園服飾博物館) ※10/28~11/24から変更
123番 芦刈(御所解)文様振袖 (丸紅株式会社)
124番 鉢木(御所解)文様帷子 (個人蔵)
126番 小督(御所解)文様単衣 (シルク博物館)
132番 砧・菊慈童(御所解)文様帷子 (個人蔵)

会場風景

エントランス

美術館の周辺のイチョウが色づき始めました。

特別展の会場入口は2階

大階段またはエレベータをご利用ください。

展示室内

色鮮やかな小袖、美しい蒔絵、貴重な料紙装飾など、国宝・重要文化財を含む約130件を一堂に展覧します。(展示替えあり)

※写真は内覧会の様子を撮影したものです。
展示室内での撮影はご遠慮いただいておりますので、ご了承ください。

特別展ショップ

図録(2,300円)、B3ポスター(300円)、A4クリアファイル(400円)、一筆箋(400円)、ハガキ(100円)などを販売しています。
他にも可愛らしいポーチ、ハンカチ、風呂敷や本など盛りだくさんです。
ぜひお立ち寄りください。

中央ホール

中央ホールのみ、写真撮影が可能です。

記念講演会

テーマ「『うた・ものがたり』を着る」   ※終了しました
日時:11月1日(土)  13:30~15:00
講師:切畑 健氏(京都国立博物館名誉館員)

テーマ「『うた・ものがたり』でかざる」 ※終了しました
日時:11月8日(土) 13:30~15:00
講師:土井 久美子(大阪市立美術館学芸員)

テーマ「葦手と意匠」 ※終了しました
日時:11月29日(土) 13:30~15:00
講師:四辻秀紀氏(美術史家)

会場は美術館1階講演会室。
いずれも定員150名。
当日13時より整理券を配布、先着順。

※聴講は無料ですが、当日の特別展観覧券が必要です。

 

文化セミナー

テーマ「祭礼にみる風雅」 ※終了しました
日時:11月15日(土) 13:30~15:00
講師:岡本彰夫氏(春日大社権宮司)

テーマ「うた・ものがたりと香」 ※終了しました
日時:11月23日(日) 13:30~15:00
講師:畑 正高氏(香老舗 松榮堂 主人)

会場は美術館1階講演会室。
いずれも定員150名。
当日13時より整理券配布、先着順。

※聴講は無料ですが、当日の特別展観覧券が必要です。

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