- 会期
- 平成15年(2003)10月28日(火)~12月14日(日)
- 観覧料
一般400円(300円)、大学・高校生250円(150円) 中学生以下、障害者手帳等をお持ちの方、大阪市内在住の65歳以上の方は無料〔要証明(原本に限る)〕 ※カッコ内は、20名以上の団体料金
展覧会概要
本展では、江戸時代に肥前の国(現在の佐賀県)を治めた鍋島藩で焼造された日峯社下窯と呼ばれる初期鍋島(17世紀後期)から佐賀県伊万里市大川内本窯で生まれた盛期鍋島(17世紀末期~18世紀後半)、そして幕末から明治期にかけて焼造された後期鍋島(19世紀)まで、色絵を中心に染付・青磁を加えたおよそ70点の当館寄託作品を展示し、鍋島焼の魅力を紹介します。 藍色(染付)と赤・緑・黄色(上絵)の4色がおりなす鍋島藩窯で焼かれた色絵磁器は、和様の意匠と斬新で洗練された色彩感覚に優れ、江戸時代における日本美の極致の一つとして世界中で愛されてきました。 鍋島藩は、有田皿山に磁器の窯を開いて、いわゆる伊万里焼(有田焼)を生みだし、海外貿易や日本国内の需要に即した製品を焼造しました。一方で、将軍家への献上品や諸大名・公家などへの贈答品を特別に焼造する藩窯を別に築き「鍋島焼」を創造したのでした。採算を度外視した特別あつらえの磁器は、素地・釉薬・絵の具の選択から成形・焼成の技術に至るまで完璧をめざしました。 製品は実用食器類が中心で、特に口径が1尺・7寸・5寸・3寸の寸法で作られた、高台の高い平らな皿には優品が数多く焼造されました。特に、「色鍋島」と呼ばれる色絵磁器は、素地を素焼きし、墨弾きの技法により染付で描く文様の輪郭を表し、本焼きののちその輪郭内に緑・黄色などの色釉を充填していく絵付技法によって、輪繋・毘沙門菱などの幾何学文、桜樹・紫陽花・菊花・水仙・椿などの四季の花卉文、紅葉と水流の図様などの名所・旧跡の物語文、大根などの蔬菜文など、和様の意匠が好んで描かれました。 ※ 作品保護のため会期中展示替えを行いますので、あしからずご了承ください。
主な出品作品
色絵薄瑠璃 唐花文菱形皿
江戸時代〔17世紀中頃〕 個人蔵
色絵 輪繋文三脚皿
江戸時代〔18世紀初頭〕 個人蔵
色絵 桜花柴束図皿
江戸時代〔18世紀初頭〕 個人蔵
色絵 万年青図小皿
江戸時代〔19世紀前期〕 個人蔵
関連イベント
ギャラリー・トーク
11月 8日(土)・ 22日(土)・12月 6日(土)
講師 / 守屋 雅史(当館学芸課長代理)
時間 / いずれも午後1時30分~ 1時間程度
場所 / 当館1階 美術ホール
※ 聴講は無料ですが、本展の観覧券が必要です。
主催
大阪市立美術館