大阪市立美術館

コレクション展

受贈記念 辻本勇コレクション 陶芸家富本憲吉の世界

会期

2011年1月5日(水)~2011年2月13日(日)

展覧会概要

富本憲吉記念館の館長であった故辻本勇氏蒐集による富本憲吉作品の一部がご遺族のご好意により当館に寄贈されることとなりました。その受贈を記念し、寄贈を受けた陶磁器(80件)とエッチングや図案類(20件)によって富本憲吉の創作の軌跡を振り返る特集展示を冬の常設展の一角で開催します。

富本憲吉(1886〜1963)は奈良県安堵村(現安堵町)に生まれ、明治37年建築家を志して東京美術学校(現東京芸術大学)図案科に進みました。在学中に私費でロンドンに留学し、帰国後バーナード・リーチと親交を得てから陶芸に興味を持つようになり、大正2年に郷里にて窯を築きリーチとともに作陶に熱中し、陶芸家として独り立ちしていきました。富本の創作は、昭和初期までの大和時代(白樺派の人々との交流や民芸運動への参加、挿絵や執筆活動もおこなった)、昭和2年頃から同20年頃までの東京時代(国画会や帝国美術院を舞台に作陶に励み、東京美術学校の教授に迎えられた)、戦後から逝去までの京都時代(公職を離れて京都に移住し、新匠美術工芸会〔現新匠工芸会〕を結成し、京都市立美術専門学校客員教授に就任〔のち学長に選任〕、第1回重要無形文化財〔いわゆる人間国宝〕の認定を受け、のちに文化勲章を受章した)の3つの時期に区分されます。

今回の寄贈作品は、大和時代と東京時代を中心とした陶磁器やエッチング・図案類などが中心です。安堵村の風景や草花のスケッチから生まれた染付、独自の形態をなす白磁、「土焼」と命名された高火度焼成の施釉陶器、九谷焼での研究の中から開花していった色絵磁器、伸びやかな筆緻のスケッチや図案類などが注目の作品といえましょう。

染付 竹林月夜模様皿 京都清水

昭和12年(1937)

イベント

【学芸員による作品解説】

日時 : 1月8日(土)・1月22日・2月5日(土)

時間 : 午後2時~3時

場所 : 本館1階 講演会室

定員 : 150人(30分前に開場)

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